第6章 キモチ
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ピチチチ……チュンチュン…
昨日とは打って変わり快晴の朝。日差しがカーテンの隙間から差し込み、その光で桜花は目を覚ました。
ジュージューと油の音と、チン!というポップアップトースターの音、それからスープのいい香りが部屋に漂う。
桜「…んう…いいにおい…」
桜花はむくっと起き上がると、目をこすりながらキッチンの方を見る。
スエット姿に慣れた手つきでフライパンを振る晋助の姿があった。
桜「晋くん。おはよー」
くあーっとあくびをしながら晋助に話しかける桜花。
晋「はよ。お前俺たちが来る前に早く起きて着替えとけよ。無防備も大概にしろ」
桜「ご、ごめん。なんか疲れちゃってたみたいで起きられなくて…朝食作ってくれてたんだね!手伝うよ!」
晋「ん。だいたい作っておいた。お前は顔洗ってきたらどうだ?」
晋助はそう言ってタオルを渡すと、洗面所に行くように桜花を促す。桜花は晋助からタオルを受け取ると、ごめんね、といいながら洗面所に向かっていった。
小さい頃から一緒の3人は朝食、夕食も一緒だった。各家で順番に飯担当を回し、互いの家族全員で食卓を囲むのが日課だった。
その日課が、この街でそれぞれで暮らすようになってからも日課になろうとしているわけだけれど。
晋助はキッチンにある椅子に腰をかけると、昨日の銀時とのやりとりを思い出していた。