第6章 キモチ
晋「忘れてた。おめぇも十分恋敵だったなぁ?銀時、てめぇ俺がいねぇ間に桜花にどんな襲い方しやがった……」
銀「お、おい!!!待て!!全く身に覚えがないんですけどォオオ!?あ、あれじゃね!?銀高に伝わる七不思議のせいじゃね!?」
晋「話そらしてんじゃねぇ」
ピコーン
桜花の携帯が鳴る。喧嘩を始める二人を横目に、桜花は携帯のスクリーンを確認し、すぐに返事を返した。
桜「銀ちゃんたち、私もう眠くなっちゃった。」
銀「あー?さっきまで寝てたのにもう寝んのかよ?豚になんぞ」
晋「今日入学式で疲れたんだろ。ゆっくり休め」
晋助は食器を台所に運びながら桜花に声をかける。銀時はその場に寝転び、ジャンプの続きを読み始めた。
晋「おい銀時。なにテメーはくつろぐ気満々なんだ?」
銀「はぁ?なんだよ急に」
晋「桜花疲れてんだろーが。たまにはゆっくり一人で寛がせてやれよ」
桜「晋くん…」
銀「ちぇ…わーったよ!帰りますよ!」
銀時は帰りたくなさそうに渋々と部屋に戻る支度をしだす。桜花は「ひとりになりたい」という空気を晋助が読んでくれて一安心した。
銀「じゃあな、桜花。ゆっくり休めよ」
桜「ありがとう。ごめんね銀ちゃん」
銀時は振り向かずに手をひらひらし、自分の部屋に戻っていった。
晋「桜花、なんかあったらすぐ俺たちに相談しろ。まぁ、あいつァ対して頼りにならんかもしれんが俺なら力になってやれる。いつでも頼れ。」
晋助はそういうと桜花の頭をポンポンと撫でた。
桜「ありがとう。晋くん。気使わせてごめんね?」
どちらも一つ上の先輩だが、銀時に比べて晋助は大人っぽく、気の回るところが昔からあった。頼りになるお兄ちゃんは晋助、ガキ大将のような無邪気な兄貴は銀時、といったところだろうか。
晋「じゃあな、また明日マンションの玄関前で…」
桜「うん、おやすみ」
晋助を玄関で見送り、小さく手を振った。