第6章 キモチ
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キィーーバタン
「桜花?いるか?」
晋助の声だ。晋助も珍しく玄関から登場した。
銀「おー高杉。今帰りか?バイトたぁご苦労なこって…」
銀時は床に寝そべり、ジャンプを読みながら話しかける。
桜「おかえり晋くん!」
晋「おう。これバイト先でもらったまかない。食おうぜ」
銀「でかした高杉!もー俺腹へって死ぬかと思ったぜ」
銀時は、メール打つ桜花を横目に高杉へ駆け寄り、キッチンへ連れ出した。2人はこそこそ話し出す。
晋「何だ銀時?」
銀「桜花の様子がどうもおかしくてよ…」
銀時はマンションの玄関で総悟を見かけたこと、総悟の意味深なメールについて晋助に話す。
銀「それから…なぁんか今日ヨソヨソしいんだよなぁ…桜花のやつ。触らないでほしいなんて、今まで言われたことねーぞ」
晋「ククク…へぇ…なるほどなぁ…」
晋助は笑う。どうやら全てつながったようだった。勘の鋭い晋助にはそれだけ情報があれば何となく読めた。
晋「俺が思うにこうだ。あのガキ、桜花と部屋に2人きりになり、理性を保てず桜花を襲った。しかしそれを受け入れてもらえず、自分のような男が他にもいる、とでもいったんだろ。もちろんそれは俺たちだ。それで桜花は意識し出した…」
銀「襲った…か。まぁ俺もそれは考えていたがな。それが本当ならあのヤローを生かしておけねぇ!でも…桜花のやつ、傷ついたんじゃねーのか?仮にも親友にんなことされちまって……」
銀時は心配そうに桜花の方を見る。
銀「あいつ、それについてはなんも話そーとしねぇ。まぁ俺からも聞いちゃいねーがな。今までは逐一くだらねーことも報告してきたのによ。高校と中学が離れてから、まともに連絡もよこさなくなっちまって…大人になってきたのかねぇ?さみしーなー!」
晋「お前ほんとバカだな。総悟とかいうガキが現れたからだろーが。俺たちがいなくても、あいつが十分俺たちの役割やってたってことだろ?もっと警戒しろよ……」
はぁ、と顔を抑えながら晋助はため息をついた。
銀「……ぐ…!うるっせーな!わかってらぁ!!」