第6章 キモチ
桜花は携帯のスクリーンを見ながら真剣な顔で考えていた。
17:04 LINE 沖田総悟
今日はすまねぇ。桜花にあんなことするつもりはなかったんだ。せっかく部屋に上げてくれたのに俺は台無しにしちまった。
でも今日言ったことに嘘はねぇ。男なんざこんなもんだ。桜花にとってあの2人は家族同然なのかもしれねぇが、俺からしたら血も繋がってない、ただの男にしか見えねぇ。
親友として…それを伝えたかっただけでさぁ。
……何て返したらいいんだろう。
銀「なぁーーー!おうかーー!俺腹へったんだけど……」
銀時が残りのいちご牛乳を飲み干すと、後ろから桜花に抱きつく。いつものおねだりポーズだった。だが今日だけは桜花の様子が違う。
桜「銀ちゃん!!!!!今日だけはあんまり私に触れないで!!!!」
銀「は、はぁ!?こんなんいつもの体制と変わんねーじゃねーかよ。何を今更…」
先ほどの夢がフラッシュバックする。あんな甘ったるい銀時を桜花は見たことがなかった。いちご牛乳の香りだけでドキドキするのに…
ん?ドキドキ?
何をかんがえてんだ私は。ないない。あんなのただの夢だ。総悟の言葉を間に受けすぎただけだ。
ちらっと銀時を盗み見る。
不服そうにジャンプを読んでいる銀時。いつも通りだ。普段と違うのは私の方。
気にしちゃダメ。総悟に返信しなきゃ。
桜花は携帯に集中しながら文章を打ち出した。