第6章 キモチ
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ガチャ…バタン…
どうやって帰ってきたかよくわからない。
歩きながらずっと桜花のことを考えてた。
総悟は虚ろな表情で部屋に入り、びしょ濡れの制服を脱ぐ。
「…こりゃ明日までに乾かなそうだ…。」
濡れた体を適当にタオルで拭き、ベットに倒れこむ。帰り道、ずっと自分の行動を後悔していた。
「俺ァ最低なヤローだ…」
『一生懸命考えてる…守ってくれた総悟が、どうしてこんなことをするのか…』
桜花の言葉が頭に響く。強い目とは反対に、声も体も少しだけ震えていた…
俺ぁ桜花の笑顔が好きだ。守ってきたのに…
一度でも自分でそれを壊しちまった…
顔が歪む。
桜花…すまねぇ。
ピコーン
総悟はだるそうに携帯を確認する。
15:05 LINE 雪城桜花
総悟。いろいろ教えてくれてありがとう。今日のこと気にしないでほしい。風邪、悪くならないようにちゃんと暖かくしてね。
あんなことしちまっても桜花は余裕なんだな。それとも、俺の理性が途切れてあんな醜態晒した、と気づいてないか。桜花ならありうるが…
頭がぼーっとする…
視界がぼやけて瞼が重くなる。
桜花に…メール返さなきゃねぇのに…
総悟はそのまま眠ってしまった。