第4章 キョリ 【微エロ】
総「…俺のこんな姿を見ても、女みたいだ何てまだ言うか?桜花…。」
桜「総悟…。何で……?」
総「質問はナシだ。他に言うことは…?」
桜「…さっきの話続き…。総悟が転校してきて、でもなかなか笑ってくれなくて……。顔は確かに女の子みたいに綺麗だったよ……。」
総「………。」
冷たい目線を送りながら桜花を見つめる。桜花も、そんな総悟の見慣れない表情を目をそらさずに見つめていた。
桜「でも…男の子と話すのに慣れてない私を助けてくれた。慣れるように土方くんたちのところに自然と入れるようにしてくれた。」
話続ける桜花。総悟の手は緩まない。相変わらず冷たい視線。口角は下がったまま。総悟は耳元で呟く。唇が耳に触れそうだ。
総「……どうして今頃そんな話するんでィ…」
桜「っひゃぁ……そ、それで…初めて総悟にお礼言った時、総悟が…笑ってくれたの……。私、守られてるって思った。総悟に…その時総悟がすごく男らしく見えて……今も…」
総悟は、自分のしていることにハッとした。
桜「だから…今一生懸命考えてる。守ってくれた総悟が、何でこんなことするのか……」
理性を取り戻した総悟は桜花から離れる。総悟は桜花に背を向けると、ゆっくりと話し出した…
総「桜花…守り方は何通りもあるんでさァ。桜花は男を知らなすぎる。俺は桜花を危険な目に合わせたくねェ…俺は今教えやしたぜィ…」
桜「…うん。」
総「 俺の力に敵わなかったろィ…?」
桜「…うん…」
総「俺の体格で敵わねぇならあの銀髪共には気をつけろィ…」
桜「え?銀ちゃんたち?」
総「桜花。親友だ幼馴染だ言って結局は男と女でさァ。男の理性ってのは簡単に飛んじまうもんでィ。俺は一緒にいる時以外は守ってやれないから……。」
桜「そっか。ありがとう…。気をつけるよ」
総悟は荷物を持って濡れた学ランを羽織り、玄関へ向かう。
桜「総悟!?どこ行くの?」
総悟は振り返らず答える。
総「どうやら風邪引いちまったみたいで、熱っぽいんでさぁ。今日はこのまま帰りやす。桜花も早くシャワー浴びた方がいいですぜィ。こりゃ厄介な風邪だ。」
桜「え?ちょっと待って!総悟!」
キィ……パタン……パタパタパタパタ……
桜「総悟…」
勢いよく走る総悟の足音が聞こえなくなるまで、桜花は1人立ち尽くした。近かった2人の距離が遠くなる。2人の時間は止まったまま