第4章 キョリ 【微エロ】
「死ね土方」
「死ね沖田」
「死ね土方」
「死ね沖田」
「死ね沖田…あ、間違えた。死ね土方」
西中OB(銀魂高校1年生のみ)と昇降口に向かいながら、そんな二人のやりとりを聞いていた。入学式を無事終えて、これから「銀魂高校入学祝い西中OB会」を開催する予定。だった。
携帯を片手に近藤が話し出す。
近藤「おい総悟!やっぱりカラオケどこも満室だとよォ!どうする?」
総「マジですかィ。困りやしたねィ」
神「おいサド。会場決めはお前の役だったろうが。どうしてくれるネ。さてはお前ずっとクラス編成のコトで「おいチャイナァアア!!」」
総悟が神楽の声を遮るように話す。
総「お前俺にばっか押し付けてんが、会場決めは俺とお前の仕事だったろうが!」
桜「まぁまぁ!カラオケ空いてないなら仕方ないよ!今日はどこも入学式だったし、考えてることはみんな一緒だったんだよ!」
総悟をなだめながら次回にするか、ファミレスにするか話し合っていた。
妙「でもファミレスは料理注文しなきゃないから高くつくわよねぇ?困ったわ」
妙ちゃんが右手を頬に当てながらため息をつく。みんな遠い西中から、親戚などの家に居候し、今の高校に通い始めた。学生だからお金もそれほどない。何よりみんな、親に迷惑はかけたくなかった。
どうしようか、とため息をつくみんな。総悟の顔も珍しく困ったような表情だった。桜花は、ひとり暮らししている事を隠しておきたかったが、そんなみんなの暗い表情を打ち消したかった。
桜「ウチはどうかな?…なんて」
神「桜花んちアルか?おばさんやおじさんと同居してるんじゃないアルか?ウチの人に迷惑はかけられないネ。」
総「そうだぜィ。桜花。何も桜花が犠牲になるこたァねえぜィ」
桜「だ、大丈夫だよ!私ひとり暮らしだから」
「………………」
あ、あれ??
総「何で早く言ってくれねェんでィ‼︎‼︎」
総悟はキラキラした目で桜花を見つめる。これから、3年間親のいない部屋に上がりこむ事ができる!しかも桜花の部屋何て一度も入ったことのない総悟は、とてつもなくご機嫌だった。