第4章 キョリ 【微エロ】
教室の外に立ち尽くす総悟の頭を、たっぷりプリントが入ったファイルで後ろから叩かれる。声の主は土方だった。
土「おい。なーにやってんだテメーは。忘れたんじゃねぇだろうなァ。この後のこと」
総「……………」
土「ほらよ。テメーがボサッとしてる間にプリントまとめてやったから、後はテメーで教師に提出しとけよ。あと…」
土方が話を続けようとすると振り向きもしようとしなかった総悟が隙をついて足をすくい上げるように蹴りを入れる。土方はバランスを崩し後ろに倒れそうになった。ざまあみやがれと言わんばかりに得意げに唇を舐め、一言。
「死ね土方」
土方が倒れそうになっているとちょうど教室から桜花が出てきた。
総土『桜花…!あ…危ねえェ‼︎‼︎』
土方は反射的に桜花を抱きしめるとそのまま倒れこんだ。桜花は何が起こったかさっぱりわからなかった。
土「いってぇ…」
土方は頭を押さえながら痛そうに目を開けた。少し起き上がると同時に桜花から両手を離す。
総「お!桜花!大丈夫ですかい!?」
桜「う、うん。土方君が守ってくれたから」
桜花は土方の胸から離れて顔を上げると、すぐ側に土方の顔があった。近い。とてつもなく近い。まるで桜花が土方を襲ってるような体制だった。それを見た総悟からは異様な殺気がメラメラと溢れ出ていた。早く離れろと言わんばかりに。放心状態の二人はしばらくその体制だったが、口を開いたのは土方だった。
土「……おい。いつまでそうしてるつもりだ?あんたがどかなきゃ俺が総悟に殺されちまうだろーが」
桜「え?…殺され?……あ、ごごご、ごめんね?」
桜花が慌てて土方の上から降りた。総悟は一部始終を見逃さなかった。庇うためとはいえ、桜花を抱きしめたこと、抱きしめたことで桜花のふくよかな胸が土方の胸に当たっていたこと、キスできるくらいの近距離で桜花を堪能したこと。そして今、土方の顔が赤く、桜花の事をまっすぐ見れていないこと。
総「殺す‼︎‼︎‼︎‼︎土方‼︎‼︎‼︎」
土「え!?何総悟!!?ちょ…!コレはお前が…!やめ……!……ギャァァアアアアア‼︎‼︎‼︎」