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ジャンルごちゃ混ぜ短編夢小説

第2章 drrr!


「それで、何も言えなかった?自分のことを好きだと言ってくれた彼を「気持ち悪い」と思って自分が傷つかないように突き放したくせに彼が傷ついた顔をしているのを見て君も傷ついちゃったんだ。それで、逃げてきた。大体合ってるよね?」
早口でまくし立てた俺の言葉に愛ちゃんは頷いた。「折原と話すの、すごく楽。喋らなくてもいいから」
ほんっと、この娘は、おかしいなあ。普通ならここ、苛立ちや恐怖を覚えるところなのに。この娘は、俺の膝の上で安心しちゃってる。
「ああ。そうだね。俺は愛ちゃんのこと理解してるから」
君の何もかもを、ね。
「折原を、愛せたら良かったのに」
ぽつり、と。小さな本音を。
「そうしたら、君は幸せ?」
君の利己的な、我儘でエゴに溢れた愛を、俺に向けることができたら、君は幸せになれるの?
「さあ、分かんない」
俺の胸板を涙で濡らしながら。君は問題を投げ出した。
「ていうかさあ、どうして俺を愛しちゃダメなの?」
ふとした疑問だ。別に俺は愛ちゃんに「俺を愛しちゃダメ」と言ったことはない。なのに、なぜそんなことを言うんだろうか。まあ、大体答えは見えてるけど。俺を愛したらきっと君は俺の愛が欲しくなるから。ってところかな。
そう予想した俺の耳に届いたのは、俺の両目を見開かせるには十分すぎる言葉だった。
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