第6章 もう一つの涙と笑顔
「じゃあ、私はちょっとでかけてくるわね。1時間くらいで戻ってくるわ。」
そう言って、柊のお母様は病室から出ていった。
「はぁー‥‥しかも、なんかバレてるし!」
ぶつぶつとまだ不満気に呟いてる柊。
「柊がちゃんと教えてくれないのが悪いんだよ。」
「それはっ!だって‥‥‥‥心配かけたくなかったし。」
「余計心配したよ。入院って聞いて、心臓止まるかと思った。」
「‥‥ごめん。」
「ほんと、心配したんだからね。」
「うん‥‥ありがと。ごめんな。」
ぎゅっと柊に抱き寄せられる。
何かが解けて、涙が出てきた。
「柊ー‥‥。」
「もー泣くなって。」
「柊がいなくなっちゃうかと思った‥‥。そう考えたらすっごく怖くなった‥‥。」
「大丈夫だから。俺は消えないよ。」
柊の手はとってもあったかかった。