第6章 もう一つの涙と笑顔

｢え？｣
｢柊の彼女さんでしょ？柊、『結希が』『結希は』ってよく言ってるのよ。本人はバレてないつもりだろうけど、そんなのバレバレよねぇ。｣
ふふっと、いたずらっぽく笑うお母様は柊とそっくりだった。
｢ふふっ。こちらこそ柊にはお世話になります。｣


｢ん‥‥。｣
｢柊！？｣
｢んんー‥‥。‥‥結希？｣
｢うん！｣
｢ん？‥‥結希？結希！？え‥‥なんで！？え！？｣
｢結希さん、わざわざ電話くれてここまで来てくれたのよー。ほんと、よく出来た彼女さんだわ。柊なんかにはもったいない。｣
｢そうだけど！結希はほんとにいい彼女だけど！え！？｣
柊、すっごい慌ててなんか口走っちゃってる。
ふふっ。
こんな言葉、普通の時には聞けないだろうなぁ。