第6章 もう一つの涙と笑顔
それからの言っていたとおり、柊は大会に出た。
しかも、スタメンとして。
入院して休んでいたとは思えないくらいに、上達していた。
それは、復帰後誰よりも努力していたから。
みんなが練習を終わったあとも、1人ずっと走り込んでシュートを打ちまくってたから。
暗くなってボールが見えなくなっても、フットワークや体幹トレーニングはできると言って、なかなか帰ろうとしなかったから。
おかげで、試合にはフルで出場したし、シュートも何本も決めた。
私たちのチームは、また負けてしまったけど柊の頑張りは報われたんだって思う。
心晴は、蒼先輩と同じ大学に行く!って猛勉強し始めた。
2年後、先輩を驚かすんだ〜♪って楽しそうに言ってる。
私は‥‥。
学校に行って、部活して、宿題して。
代わり映えのない日々を送っている。
でも、こんな平凡な日々が1番幸せなんだ。
今はとりあえずこの幸せを守り続けたい。