第6章 もう一つの涙と笑顔
無我夢中で電車に飛び乗り、どうにか病院までたどり着いた。
「中森 柊!中森 柊の病室はどこですか!?」
「えと、どういうご関係でしょうか‥‥?」
「彼女です!柊はっ‥‥!?」
「117号室です‥‥。階段を上がって左の突きあたりの部屋です。」
「ありがとうございます!」
階段をかけ登り、病室のドアを開く。
「柊!」
そこには、真っ白なベッドで眠っている柊がいた。
「あら‥‥こんにちは。柊のお見舞いに来てくれたのかしら?」
後ろから声がして振り向くと、柊のお母様がいた。
「こ、こんにちは。マネージャーの前畑です。」
「さっきの‥‥どうぞ、座って。」
「あ、ありがとうございます。」
「わざわざありがとうね。‥‥あなたのことかしら?柊がね、ここへ運ばれた時に『結希‥‥。』ってうわ言みたいに言ってたのよ。違っていたらごめんなさいね。」
「私のこと‥‥だと嬉しいです。」
「きっとそうね。これからもこの子をよろしくね。」