第6章 もう一つの涙と笑顔
「あら‥‥柊、何も言ってなかったのね。柊、今日から入院なのよ。」
「え‥‥?入院?どこか悪いんですか‥‥?」
「小さい時からちょっと心臓が悪くてね。最近、頑張りすぎちゃったみたいで、一週間くらい入院だって言われちゃって。」
え‥‥私、何も知らない‥‥。
目の前が真っ白になっていく。
「どこの病院ですか!?」
携帯と財布をひっつかんで、走り出した。
駅まで向かう道が、やけに遠く感じる。
体力のない私の身体はすぐに悲鳴をあげた。
息が上がってうまく酸素が取り込めない。
脇腹がキリキリと痛む。
それでも、スピードは落とさなかった。