第5章 もう一つの愛を育む
「結希ー!」
柊は、次の日も教室まで来てくれた。
「柊。迎えに来てくれなくてもいいのに。教室、遠いじゃん。」
「いいの!俺が早く結希に会いたいだけだし。」
ニカッと笑う柊に、また好きな気持ちが大きくなる。
「それに‥‥。」
急に、耳元で囁かれる。
「結希に変な虫がついたら嫌だしな。」
??
私の疑問は、帰り道で解消された。
「柊?どしたの?」
あんまりに柊が無口だから、心配になってきた。
「体調悪い?どっかで休む?」
そう言って1人あわあわしてたら、ほっぺをぷにゅってつぶされた。
「ひゅう?」
「昨日、泉と何かあったの?」
「駅であったかりゃ、ちょっとはにゃしてたらけらけど‥‥?」
柊の手がほっぺから離れる。
「きのうさー、あいつから『前畑さんと付き合ってんだってなー!前畑さんから聞いたぞ!!てか、前畑さんめっちゃかわいいよな!』って謎にハイテンションなメールがきてさ。」