第2章 母さん、ありがとう
「はぁ、はぁっ…もう、無理ッ」
「…まだ、駄目…」
「ああああぁッ!!」
はい、今如何わしい想像した奴~駄目だぞ、今ちゃんとした鍛錬(というか修行…?)中なんだ。
いや、思っていたより過酷でさ…。
2年たった今でもなれない。
というかどんどん過酷になっていく…。
もちろん風魔も修行しているからどんどん強くなっていく。
俺がこの鍛錬で身につけたのは、
・気配を読むこと
・持久力
・瞬発力
が主かな。足もかなり速くなったと思う。
それに多少の毒や薬も平気だし、縄抜けも簡単なものならできるようになった。草の見分け方も覚えたしね。
それと、父さんは俺が知らぬ間に鍛錬していることを知り(風魔に手伝ってもらっていることは知らない)、自分も落ち込んでられないな。と元気に働いている。
前よりも過保護になっているのは仕方のないことだろう。
べしっ
「痛っ」
「…集中」
風魔にデコピンされたところをさすると溜息をつき、今から休憩を取ってくれるという。
流石!やっぱりやさしいな
「なぁ、風魔って読唇術できるのか?」
当たり前だとばかりに頷く。
「教えてください!!」
顔の前で手を合わせてお願いすると仕方ないとばかりにまた溜息をついた。
「ありがとう!」
嬉しくてつい抱き付けばビクッと一瞬体を揺らし、抱きしめ返してくれた。
やった!これで、母さんの最後の言葉がわかる…。
勿論、これだけが理由ではない。
風魔は人が来ると消えるが、俺の前以外では話さない。
そうなると、いつでもわかるようにしていたい。
…でも、そうなると俺も声、聴けなくなるのかな…?
それは嫌だな…
でも、男に二言はない。絶対できるようになるぞ!!