第1章 こんにちは、新しき世界
やっほーいっっ!
和風な建物が並ぶ町並みが、人(主に頭)が気になりキョロキョロと辺りを見渡す。
「ふふっ、喜んで貰えて良かったです。」
連れてきたかいがあると微笑む母さんに「ありがとうございます」と返して繋いでいる手にぎゅっと少し力をこめる。
行きたい所を探していると甘味屋があった。
確か、真田幸村が大好きなんだよなぁ…
「かあさん、あれがたべたいです」
手を引いてみたらし団子を食べる人を指差すと人に指差しちゃ駄目ですよ、何ていいながらも店に入って茶と団子を頼んでくれた。
…暫くして運ばれてきたみたらしにかぶりつき、口いっぱいに頬張る。
美味しい…!なんだこれは…ッ、これは真田幸村が大量に食べるのも無理はない。
美味しい美味しいとパクパク食べる俺を心配そうに、それでも優しく微笑みながら見守る母さん。
母さんの分もくれてありがと!
その時、一人の少年が走って逃げる姿を見つけた。
その顔に見覚えがあった為、母さんに厠に行ってくると店の外に飛び出した。
「っはぁ、はぁ…たしか、このあたり…っ」
逃げたであろう道に行くと、一人の少年に対して3人の少年達が寄ってたかっていた。
「弱っちいのー」
「物の怪め!」
「…っ」
「そこで何してる?」
呂律に気をつけて話しながら少年達に近づくと皆こちらに注目する。
「なぁーんだ、餓鬼かよ。」
人のこといえないだろう…w
「大人ごっこは他所でやってくれよ〜」
今否定されたぞ、最初の奴ww
「さっさと帰らないと呪われるぞ〜」
お・ま・え・も・な!!wwww
「いや〜、面白いね君達。でもいい事を教えてあげよう。今俺は3歳児の見た目をしているが、実は……鬼なんだ。子供の肉って美味しいんだよなぁ…3人も食えるなんて今日は豊作だなw」
子供ながらにして低い声で脅しながら徐々に近づく。
嘘だ。なんていいながらも後退りしてんぞ?
極めつけに人より大きく尖った犬歯をチラリと見せつけると一瞬にして青くなりすぐに走り去った。
「大丈夫か?」
そう言って綺麗な顔をした少年に手を差し伸べた。