第1章 こんにちは、新しき世界
この世界、戦国BASARAだわ…。
何故分かったかというと、婆娑羅屋という名前と婆娑羅という不思議な力が存在したからだ。
うちの店は婆娑羅屋の次に有名な武器屋で場所は安芸…そう、かの有名な毛利の領地なのだ。
戦国時代とか生き残れる自信ないし、毛利って今は元就さんが城主ではないけど冷たいんだろうなと勝手に思ってしまう。
というのもやっぱり殿様とは見ないし、ましてや3歳だし親が親だ。
暇で仕方ない俺は只管走って体力をつけたり、父さんが暇な時に文字の読み書きを教わるくらいしかできない。
今日も3歳の自分には大きく太く感じる筆を持ち、文字の練習をしている。
父さんも母さんもしたいことはさせてくれる。
本当にいい人達だなぁと思うと同時に不安で仕方なかった。
今は戦乱の世。戦に駆り出されるやもしれない。常に死と隣り合わせなのだ。
だから、父さんと母さんがいずれ居なくなるのがとても不安に感じた。
思考が大分大人になったなぁと思う反面、こういったところが子供らしく思えた。
目の前にはミミズのような文字が沢山並んでいる。
まだまだ汚いが練習あるのみだ。
新しい半紙に変えてまた筆を走らせる。
「小弥太ー」
廊下から母さんの声が聞こえたので筆を置き、障子の方を向く。
「また字の練習ですか?」
微笑む母さんに微笑み返し、頷く。
「綺麗にかけましたね」と褒めながら優しく頭を撫でてくる。この手が本当に気持ち良くて大好きだ。
「ありがとうございます、かあさん」
ゆっくりしっかりとお礼を言うと母さんはすごくうれしそうだ。
たまにこうして会いに来ては話したり何か持ってきてくれたりする。
「今日は一緒にお出かけしましょうか」
「え?」
「小弥太も大人らしいと言っても、まだ3歳なのですからね。庭だけでなく、外に出たいでしょう?」
微笑む母さんに嬉しい気持ちが込み上がり、はい!っと元気よく答えて笑った。