第1章 DDD発売記念
「キーブレードマスター承認試験を、受けようと思うんだ」
だから、星に願いをかけようと思って、流れ星を待っていたんだ。見上げているのにも疲れてきたから、波打ち際まで足を進めて、
流れ星を探していたんだ。
快晴の夜空を映す海は鏡の様で、
足元にも星空は広がっていた。
それでも、流れ星は見つからないんだ、俺は星に嫌われているのかもな。水平線を見つめた横顔は凛としていたが、どこか寂しそうだった。
わたしも一緒に探してあげるよ。
そうか、ありがとう、と、こちらを向いた翡翠の瞳とかち合った。
髪を切ったのだから、瞳がよく見えるのは道理の通りではあるが、真っ直ぐに透き通った色に見つめられて、
わたしは思わず目を逸らしてしまった。
逸らした視線の先には、
あっ、、
「星が、流れてる」
指差した波間にはパオプの実が、星形の実がたゆたう姿があった。
願い事しようと誘えば、
お前らしいよと笑っていた。
*ドリームドロップ
ディスタンス*
(お前が風邪を引きませんように)
(わたしもそれにしようかな)
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初出…2012.03.26.