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KHDDD発売記念再録

第1章 DDD発売記念



ひさびさに会ったリクは、闇の色と長い丈のコートを纏っていた、見るからに怪しいけれど、身を守る為の装束なのだと教えてくれた。

その目隠しもなの、と聞くと、これはちょっとな、と濁されてしまった、何か事情があるとはいえ、あの美しいペイルグリーンの瞳が見えないのは非常に残念だった。髪も伸びて、まるで知らない誰かみたい、と漏らせば、それが目的だからな、と、小さく呟いた。

忘却の城での一件の後、記憶の修復の為に眠り続けているソラの為に、流れ出した記憶を取り戻さなければならないと、リクはソラのノーバディを探している。
…と言われても、わたしにはよく分からなかったけれど、その流れ出した記憶を隠し持つ重要な人物が、どうやらこの黄昏の街に出没する事が多いのだと。

数日の間は街を見渡せる時計塔の上で見張り続けるというので、わたしも協力すると、見張りに同行させてもらった。

しばらく見張りを続けていたが、それらしい姿がすぐに見つかるわけもなく、わたしはすっかり飽き始めていたが、これも仲良しのリクの為、同じくソラの為、と、根気よく見張っていた。

さすがにすぐには現れないね、今日のところは帰ろうか、と話しかけると、返事が返ってこなかった。
どこかへ行ったのかと不安になったが、振り返ると姿はあって、少しの安堵と引き換えに心配の念が押し寄せた。


「……リク?」
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