第2章 動き始めた革命児
2-2.チョーうざぁい!
昼休み、あたい達は作戦会議をした。
打倒生徒会に向けたTrickstarの活動についてだが、
やはり真緒くんは不在。
「やろうとしているのは夢ノ咲学院では、
始まって以来の難事だからね~」
珍しくスバルくんも悩み顔。
具体案はまだこれからのようだ。
「何をどうしたら良いかわかんないし、
あたいもプロデューサーの、
スタートラインに立ててすらいない。
とりま、指導者が欲かなぁ……?」
「ちょっとして、佳代ちゃん心当たり、
ない、よねぇ……」
真くんが苦し紛れにあたいを見やる。
いやいや、昨日転入してきたばかりなのに、
知り合いの3年生に頼れる先輩なんて……。
「居る訳……あっ!」
そういえば、なずな先輩はどうだろう。
見た感じ、頼られるのは好きだと見える。
ダメ元で頼んでみるのもいいかもしれない。
「どうした佳代。心当たりがあるのか?」
北斗くんが表情を明るくする。
「いや、別に確証もクソもないから。
多分9割がたは断られると思うし。期待は禁物!」
……と、口では言ってみるものの……
気になったら動かずにはいられないのがあたいだ。
当たって砕けろ精神。
気が付けば2-Aの教室を飛び出ていた。
確か、3年B組だったっけ……?
「……居ない。教室間違えたかな?」
覗き込むが小柄な姿も、自称吸血鬼も見当たらない。
教室の札を確認しなきゃ。
ドンッ。
「ちょ、なぁに?」
「あ、すいません……ッ!」
うっかり、銀髪の先輩……泉先輩にぶつかってしまった。
……あっ、グラドルで見たことある人だ!
お気に入りの香水の宣伝やってたから覚えている。
「はぁ?
すいませんで済むなら警察はいらないんだよぉ?
それに、なんで女がいるの? 忍び込み?
そういうの、チョーうざぁい!」
って、謝ったのに、そういう反応するぅ?
泉先輩はわざとらしく、ため息をついてみせる。
「えぇと、あたいはプロデューサー科の名生佳代。
一応、忍び込みじゃないです……」
「ふぅん?
まぁ、俺の顔に傷がついたらどうすんのって、
聞きたい所だけど……損害賠償でも払ってくれるのぉ?」
ムカッ。
第一印象は最悪。
言われた言葉をそのまま返したい出会いだった。
何この人、チョーうざぁい!