第2章 動き始めた革命児
2-4.ビギナーステップ
「モゴモゴ! モガガーッ!」
手足を縛られ轡を嵌められ暴れまわる晃牙くん……。
何があったのかわからないけど、可哀想。
「あぁっと、今の大神先輩には近寄らない方がいいですよ!」
「すっごく気が立ってるからね~。
朔間先輩がお仕置きとか言って縛っちゃったんだよ
Trickstarの先輩たちが来るまでの我慢かな?」
「Trickstar? 皆も来るの?
っていうかその朔間先輩は?」
状況も要件もわからないまま部室に連れ込まれてしまったので、
何が何だかちんぷんかんぷんだ。
「朔間先輩は今そこの棺桶で寝てますよ」
「大神先輩がいくら暴れて騒いでも起きないぐらい、
ぐっすり眠ってるよ」
棺桶!?
ギターとベース、ドラムが置いてある中、
黒く高そうな棺桶が陣取っているのは異様な光景だった。
確かに吸血鬼は棺桶の中で眠るとは言うけれど……。
「Trickstarの皆さんはそのうち来るって、
朔間先輩は言ってたけど……」
「その前に、俺達で転校生さんをテストするんだよね」
テスト?
頭の上に“?”マークを乗っけたあたしに双子が笑いかける。
「大丈夫、プロデューサーさんなら余裕だって♪」
「俺達の質問に答えてくださいね♪」
「制限時間は10秒!」
……当然のように彼らのペース。
取り敢えず危険なことはなさそうなので、
彼らのペースに乗ってみることにした。
「「はいどっちがひなたでどっちがゆうたでしょう?」」
「……あたいに敬語使うのがゆうたくん、
使わないのがひなたくん」
「おぉ! そういう覚え方が!」「正解です!」
ちょっと驚いた様子の双子。
よく見るとヘアピンとヘッドホンの色も違うようだ。
「次の問題!」
「アイドルに必要な資質とは何でしょう?」
「……イケメン力?」
「プロデューサーに必要な3つの資質とは何でしょう?」
「……友情・努力・勝利?」
「俺達の好きな食べ物は?」
「うぅ~ん……甘いものと辛いもの?
正反対なモノ好きそう。」