第3章 同居生活の始まり
六つ子にパパの事を説明した。みんな驚いてはいたがちゃんと話を聞いてくれた。
『ってなわけです』
「ヘ~、あのイヤミがね〜」
『皆さんにとってのパパは知らないけど、わたしにとってパパはパパなの』
だから、「パパを見捨てることはできないし、家が無くなったならわたしが働いてパパを養うから、このお家にお邪魔することはできないわ」とはっきり伝えた。もう一度言おう、わたしははっきり断ったのだ。が、しかし、
「ねぇ、梅子ちゃん……ガールズバーで働いてた事ってイヤミは知ってるの?」
『ギクッ!?』
やばい、という思いが顔に現れてしまったのか六つ子の顔がニヤッと悪い顔になった。
「あれ~?言っちゃおっかな〜イヤミに」
「秘密を抱え込む必要はないぜ」
「イヤミにバレたら大変かもしれないね」
「……逃げられないね、ヒヒ」
「ガールズバーってなーに?セク口スとかしちゃうの?ねーねー!」
「ここに居れば黙っててあげるよ♪」
6人の脅迫に耐えられなかったわたしは……
『しばらくの間、お邪魔させてください!』
と頭を下げた。
ごめんねパパ……しばらく松野家でお世話になります!
こうして同居生活がスタートした。
「梅子ー!ミーとの幸せな生活を返して欲しいザンスー!」
イヤミは橋の下にダンボールで作った家を住居にし、昨日までの梅子との生活を嘆き悲しんでいた。