第13章 番外編「松野家崩壊の危機」【トド松side】
「待って! 合格よ」
母さんが僕を引き留めて言った。
「っしゃ~~~!!! 一番抜け~~!!」
僕は喜びを爆発させながらホワイトボードにある自分の名前の磁石を"扶養"の位置に貼り、誰にも見えないところでニヤリと笑った。
全て計画通り、兄さん達の悔しそうな顔は最高だなぁ。
ここからは高みの見物といこうか。
次にというか最初の面接はおそ松兄さんだった。
長男で奇跡のバカだけど一番おっかない人だからなぁ、どんな面接をするのか楽しみだね。
「俺、梅子ちゃんといずれ結婚するから」
「合格」
「「「「えええええ!?」」」」
「てか付き合ってないだろ!!」
即答!? チョロ松兄さんナイスツッコミだよ!
けど……さすがおそ松兄さん。侮れないなぁ~。
「トド松よろしく~」
「おそ松兄さんと一緒で嬉しい!」
いつ用意したのか最初はおそ松兄さんだけの磁石が梅子ちゃんとセットになった磁石に変わっていた。
だから付き合ってもないじゃん! 僕だって狙ってるんだからね、梅子ちゃんのこと。
……まぁ、それは置いといて次の面接は十四松兄さん。
「僕のセールスポイントはチャンスに強いこと! あと年間ホームランは20本は固いよ~」
「うーん、保留かしらね」
趣旨が変わってるし、母さんも真剣に考えていたけど結局保留になった。十四松兄さん死んだように動かない、大丈夫かなぁ。
で、お次はカラ松兄さん。
「母さん、俺は一生働かずに勝手に飯が出てくる生活を送りたい。もっと甘えていたいんだ!」
「保留」
即答だった。カラ松兄さん、その言い方はクズにしか聞こえないから!!!
で、次なんだけど……。
「……いい?」
邪悪なオーラを纏った一松兄さんが動いた! いや、闇松兄さんだ!
「俺、別に扶養とかどうでもいいけど、放っておくとなにするか分からないよ? ……いいの? 息子から犯罪者が出ても」
「と、共に暮らしましょう!」
母さんを脅した!? くっ、一松兄さん……じゃなかった、闇松兄さん強い!!
それを見たカラ松兄さんは「俺もだ! 俺も狂ってるから一人にしちゃ危険だぜ、マミー!」と言っていたけど、スルーされていた。隣でチョロ松兄さんが「もう黙ってろカラ松! 最悪俺が養ってやるよ!」と慰めていた。
***
遅れてごめんなさい。ツヅキマス