第12章 松野家崩壊の危機
※アニメ4話のネタバレを少々含みます(捏造あり)
ある日、買い物に出掛けていたわたしは帰ると部屋の前に看板が立て掛けてあるのを見つけた。
『松野家扶養家族選抜面接会場!?』
ナニコレ!?
ガサリと思わず持っていたスーパーの袋を落としてしまった。 すると、音に反応したのか扉が開いてそこからおそ松くんが顔を覗かせた。
「お、梅子ちゃん! ちょうどいいとこに来た! さ、入って入って~」
『ちょ、待っ……』
おそ松くんはニッと笑うと、わたしの腕を引いて中に連れ込んだ。
部屋には真ん中に置いてある机に座る六つ子ママとその向かいに並べられたイスに座る真剣な顔をした六つ子がいた。
「あら梅子ちゃん、お帰りなさい」
『た、ただいまです……あの、これは一体何ですか?』
「私達離婚することにしたの、方向性の違いで」
「だからバンド!?」
チョロ松くんがツッコンだ。
どうやらわたしが買い物に出掛けている間に何かあったようだ。
それも離婚するほどの何かが。
「それで、この子達を全員養うことはできないから、今面接を行ってるのよ。でも安心して、梅子ちゃんは私の扶養家族に入ってるわ!」
『え……?』
言っている意味が理解できず、六つ子ママと六つ子を交互に見つめると、同じタイミングでみんなが一点を指さした。
見てみると白いホワイトボードに扶養・保留・別居の枠があり、みんなの名前が書かれた磁石が貼られているのだが、何故かわたしとおそ松くんだけはひとまとめにされていて、扶養の枠にあった。解せぬ。他も見てみるとトド松くんも扶養の枠にあった。他はまだ枠外なのでこれからなのだろうか……?
「梅子ちゃんこれからもよろしくね!」
「俺、面接楽勝だった~梅子ちゃんと将来夫婦って言ったら即決だったんだぜ! 凄くね?」
『……』
付き合ってもないのに……。
呆れるわたしを他所に嬉しそうに抱き合っている長男と末弟。でもこれってバラバラになるってこと!?
なんか嫌だな……。
おそ松くんとトド松くんは何ともないのかな?
思いとは裏腹に面接は続けられた。
***
は、初のレビューいただきました。゚(゚^ω^゚)゚。
号泣です、ありがとうございます!
励みになります!