第10章 酒は飲んでも飲まれるな【チョロ松side】
PM 21:00
予定通り松野家六つ子の宅飲みが始まった。
「てかさ~、一松、お前最近なんなの?」
おそ松が一松に不満気に声をかける。
「……なにが」
「梅子ちゃんに引っ付きすぎじゃね?梅子は俺の嫁なのに!!」
「いや、おそ松兄さんの嫁じゃないし!」
「落ち着くんだ、ブラザー」
「僕もね、梅子ちゃんだーいすきっ!!」
「……十四松だってベタベタしてるじゃん」
「十四松は十四松だから仕方ない。でも一松や他の松はダメ!!」
「はー!?何それ意味わかんなくない!?」
「いぇーい!僕は十四松だよ!」
「十四松兄さんちょっと黙ってて」
「ブラザー、俺もそれには同意しかねる」
少しお酒が回り始めたのか不満を口にし始める。よし、そろそろ僕も仕掛けてみようか。
「ちょっといい?」
「あ゛~?なんだよ、シコ松」
鬱陶しそうにこちらを見るおそ松。機嫌が悪い。
「シコ松言うなっ!!……今日の朝さ梅子ちゃんと何か『おつまみ持ってきたんだけど食べる?』……あ、梅子ちゃん」
「「「「「食べる!!!!!」」」」」
「梅子ちゃん、ありがとう!」
絶妙なタイミングで僕(達)の天使が現れた。しかも手作りだし、マジ天使!
「梅子ちゃんも一緒に飲もうよ!」
『え、でも……』
「ほーら、座って座って!」
トド松が梅子ちゃんを誘って僕との間に座らせた。さすがあざとい。でも僕の隣に梅子ちゃんがいるなんてラッキーすぎる!!生きてて良かったああああ!
こうして、飲み会を再開したんだけど、そこで事件は起きてしまった。