第7章 トド松と仲良くなる
チョロ松くんを送り出して、数分後、末っ子のトド松くんが起きて来た。トド松くんもまだ眠いのか、目が半開きになっている。そしてわたしの向かいのイスに座った。よし、話しかけてみよう。
『おはよう、トド松くん!』
「……はっ!梅子ちゃん、おはよう!今日はいい天気だねー!」
挨拶すると、チョロ松くんのように一気に覚醒した。さすが兄弟!でもトド松くんはチョロ松くんよりも饒舌だった。
「ねぇ、lineしてる?良かったらさ、僕と交換しない?なんかあった時に連絡先知らないと困るでしょ?」
『あ、うん。いいよ!』
さっきまでの眠そうな感じはどこいったのだろう……、爽やかな笑顔でlineを交換するトド松くん。おそ松くん曰く、六つ子で一番モテるって言ってたな……あと、女の子と歩いてるのけっこう見かけるって言ってたかな。ということは……。
『今日はデート?』
「え"っ!?」
ま た か 、 ま た や ら か し て し ま っ た の か ! ?
携帯片手に顔面蒼白で固まるトド松くん。よく考えるとデートとか、プライベートの話だもんね。まだ知り合って間もないわたしが踏み込んでいい話ではないな……。
『ご、ごめんなさい!トド松くんのことよく知りもしないくせに、こんなこと聞くの間違ってたね……本当にごめんなさい』
わたしは立ち上がって頭を下げた。これじゃあ仲良くなるどころか仲悪くなっちゃう……。
「ちょ、梅子ちゃん!?謝らないで!僕、なーんにも気にしてないよ?!むしろ僕が変な態度取ってごめんね?で、デートっていうか友達の誕プレ選んで欲しいって言われて付いていくだけだから!」
『え、あ、そうなんだ……ごめんね、デートなんて言って』
あんなに必死に否定するということは、もしかしたら女の子の友達じゃなくて男の子の友達だったのかも。だから固まってしまったんだ、きっと。申し訳ないことしたな…。
「う、ううん、大丈夫だよ!梅子ちゃんにお土産買ってくるから待っててね!」
『え!お土産なんて大丈「僕がそうしたいの!ね、受け取ってくれる?」う、あ、ありがとう……楽しみに待ってるね!』
「えへ、じゃあ行ってくるねー!♪」
『行ってらっしゃい!』
上目遣いで言ってくるもんだから耐えきれず頷いてしまった…。