第6章 チョロ松と仲良くなる
チョロ松side
今日は楽しみにしていたにゃーちゃんとの握手会!早起きなんてにゃーちゃんの為ならなんてことはないんだ!けど……本当はちょー眠い!他の兄弟は幸せそうに寝てるし、ちょっとイラッとするけど、にゃーちゃんの為だ。落ち着けチョロ松、お前なら耐えられる。
そうしてぼんやりしていると、目の前に梅子ちゃんがいて僕に挨拶してきてくれた。一気に目が覚めたよ!?だって、名前とか僕のことわかってくれてるし……。単純に嬉しかったけど、なかなか普通に会話できない自分が嫌だった。
すると梅子ちゃんが僕の胸ポケットに入ってたにゃーちゃんの握手券を凝視して、『ニャーちゃん好きなの?』って。しまった!!慌ててポケットの奥にしまい込んだんだけど…もう遅いよね。
自分がアイドルオタクなんて知られたくなかったし、多分それに対する反応だって、あいつら(兄弟)みたいに「アイドルオタクとかキモイ」って言われるに決まってる。でも梅子ちゃんに言われたらなぜかもう立ち直れる気がしなかった。
情けないけど、机に顔を伏せて泣いてしまった。梅子ちゃん、僕の事を嫌いにならないで……。
でも、梅子ちゃんは違った。僕がにゃーちゃんを好きなアイドルオタクでも軽蔑しなかった。むしろ梅子ちゃんもにゃーちゃんのことを知っていて好きだと言ってくれた。
その瞬間、僕は叫んだ「梅子ちゃん……マジ女神!!!」と。
こんな僕を受け入れてくれるなんて、きっとこの先も梅子ちゃんしかいない!僕は六つ子の中でも一番常識あるし、将来就職する確率も高い。だから、梅子ちゃんは僕のお嫁さんにふさわしいと思うんだ。君もそう思うだろ?
他の兄弟はどう思っているか知らないけど、僕は梅子ちゃんをお嫁さんにしてみせるからね!!
……と、僕は梅子ちゃんに、にゃーちゃんの握手会に行くのを、玄関で見送られながらそう思った。