第3章 新しいクラス
ガラッ
「あー、まだあいつら来てねーのか。
おっ、姫じゃねーか。」
「おはようございます、先生!」
彼がこのD組の担任だろう。
ドアを開けて、椅子の空き具合を確かめた後、手を振ってきた愛に対して、声をかけた後、窓側に座る二人組を見て、ため息をついた。
「なんで、こいつらまで見なきゃいけねーのかがわからねーな」
思わず、心の中で同じくと言い返し、外へと視線を向けた。
この担任は、愛側の人物だ。
だからこそ、これ以上の会話は無視することに決めたのだ。
「あ、せんせー!
私たち以外の生徒って、どんな人たちなのー?」
「あー、イケメンだな」
その声に愛は嬉しそうな反応する姿に、黄瀬たちからはブーイングが起きた。
自分たち以外に靡く姿が、嫌だったのだろう。
(確かに、イケメンでしたもんね…)
これから来るメンバーは、知り合いだ。
だから、顔は知っているし、愛が好きな顔だということは、なんとなくわかっている。
そして、男装した、自分の妹もまた彼らに負けないようなイケメンになることはわかっている。
彼女はもしかして、浩也を好きになるかしれないと思った。