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トリッパーを退治する話

第3章 新しいクラス



2年D組。
クラスに入ると、まだ彼らは到着していなかったみたいだ。

そして、龍輝たちも…



「窓側に行こう」



赤司の提案もあり、窓側の一番後ろの席を赤司が。
その前の席を黒子が座り、改めて教室の中を見渡した。
もともとのクラスよりも、座席数は少なくなった気がする。
その為、教室の中が少し広めに見えていた。

静かに時間だけが流れていたのだが、その静けさを消すように聞こえてきた声に赤司は深くため息をついた。



「来たな」



ガラッと音とともに、開かれたドアの前にはとある女子を囲むようにバスケ部のメンバーが必死に彼女を振り向かせようと声をかけていた。



「あ、テツ君と、征君、おはよー!」


「俺はお前に名前で呼んでいいと許可した覚えはない。
それはテツヤも同じだ。」



睨みつけるように言い放った言葉に黒子は、内心感謝しながら
女子の隣に立つメンバーから受ける睨みつけるような視線に、顔を背けながらため息をついた。



「え、あ、ごめん…」


「別にいいじゃないッスかー
そんなんだから愛姫っちに嫌われるんスよー」


「私、嫌いにだなんて…」


「いいのーいいのー
こんな人たちなんて、ほっといてー
席座ろーよー」



紫原の一声で、彼らは逆側の廊下側の席を彼女、榊原愛を囲むように座っていた。
彼らの中では榊原が姫に見えるのだろう。
愛だけではなく、姫までつけて呼ぶようになっていたことに、とある日から気づくようになった。
アイドルに近かったバスケ部が、とある女子にだけ贔屓することに、全校の女子から批判を受けると思いきや、まったくそんなことが起きるわけでもなく、寧ろ同じく彼らと共に姫と呼び、そして、赤司たちを敵対視してきたことには、赤司も予想外の出来事だった。
だから、黒子は双子の妹に助けを求めたのだ。



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