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トリッパーを退治する話

第3章 新しいクラス


ガラッ



「すんませーん、遅刻しましたー
まぁ、時間には間に合ってるけどー」



ドアの前に立っていたのは、今黒子の頭の中で浮かんでいた人で
腰まで伸ばしていた、その綺麗な髪は黒子と同じか、それより短く切られていて、少しばかり残念な気持ちになりつつ、視線はずっと彼に向けられていた。



「それでも遅い。
てめーは…
「うるせーよ、てめーは
浩也、さっさと入れ
詰まってる」
「ん?あー
そうだったねー」



浩也の後ろに立っていた青年は教壇上に立つ教師を睨みながら、言い放った言葉には黒子、赤司以外のメンバーにとって底冷えするようなものだった。
だが、浩也に対して声をかける際にはその底冷えするような声から少しだけ優しい声に変わり、睨みつけていた態度から一変、わかる人にはわかるほどの優しい瞳をしていた。
そんな彼はキリッとした目の下には隈が出来ていて、パッと見ボサッとした髪は綺麗に纏められている。
容姿としては、イケメンに入るだろうが彼の底冷えするような瞳に思わず目を逸らしたくなるほどだった。



浩也は教室を見渡したのち、黒子と目線を合わせたことで笑顔を浮かべた。
その笑顔に誰もが魅入っていて、唾を飲む音だけが響いた




(落ちましたね)



「テツ!
おはよ!!!!」



そう言って駆け寄ってくる双子の弟に、黒子は笑みを浮かべていた。
そんな彼に気を良くしたのか、浩也は教室の中だというのに黒子に抱きついていた。




「おはようございます。
抱きつく癖を直していただけたら幸いです」

「うん、無理だね」



嬉しそうに笑みを浮かべる彼に、黒子は内心ため息をつきつつも、手を伸ばし頭を優しく撫でていた。






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