第3章 縮まる距離
その日は散々だった……。
エレンがいきなり抱きついてきたり、耳元で囁いてくるから僕の心臓がブレイクしそうになった。
その後、救世主であるアルミンが助けてくれて、エレンも抱きついてくるだけになったから良かったんだけどさ……
『僕は子供じゃないから自分で食べられるんだけど』
「あーん、ほら手除けろよ」
相変わらずエレンの膝の上に乗せられたままで、お昼を迎えたのだが、ご飯すら自分で食べる事を許してはくれない。仕方なくエレンに食べさせて貰うとえらいえらいと頭を撫でられた。もう一度言おう、僕は子供じゃない。
「今度は俺にあーんして食べさせて」
『もう、仕方ないなぁ……あーん』
エレンが可愛い子供に見えて僕は親にでもなったかのような気持ちになった。こんな息子が欲しい!その前に彼女がいないけど……。
周りにいた人達は"早く付き合え!"と思いながら二人を見つめていた。
けれども、そんな二人を面白くないと思う人達も少なくはなかった。
「エレンはわたしのなのに……っ!」
一人の女がリオに憎悪を念を持って見つめていた。