第3章 縮まる距離
(エレンside)
本気で毎日毎日、リオに猛アタックするも気づかれず、そろそろ心が折れかけていたある日。
"何でも言う事聞くからさ……"
リオの事だから俺の機嫌を取るために言った言葉かもしれねぇけど、俺にとってはチャンスだと思った。
『ねぇ、エレンさん……』
「なんだよ」
『やっぱりやめよーよ!恥ずかしいよ!』
只今リオはエレンの膝の上に座っている。
側から見れば理想のカップル同士にしか見えない。
何度も言うが、リオは男である。
暴れて俺の膝から降りようとするリオを後ろから包み込むように抱きしめると、ビクッと面白いくらいに硬直する。そうやって、いつまでも俺の事だけ考えてればいい。
それにしてもリオからはとてもいい匂いがする。
抱きしめたまま、肩に顔を埋めて匂いを堪能する。
擽ったいのか、少し息を漏らすリオに加虐心が沸いた。
「リオ、可愛い」
甘い声でリオの耳元で囁くと、耳が弱いのか顔を真っ赤に染め始めた。これは面白い。興奮してきた。
しばらくすると……。
『あっ、エレ、ン…耳元、っ、で、喋らないでぇ……』
「いやだ」
何とも官能的な雰囲気に周りも圧倒されて、中には食い入るように見つめる人もいた。
「エレン、みんな見てるよ」
"いいの?可愛いリオの姿晒して"
アルミンがさりげなくエレンに伝えると、エレンは一瞬ムスッとなるがその行為を止めた。ライバルを増やすわけにはいかない。負ける気はしねぇけど。
その頃ミカサは二人の行為を無言でムービーに収めていた。顔を少し赤らめながら。