第2章 変わらぬ日々
クラスへと足を運んでいると、知らない人達から声をかけられることが多い。ほとんど男の子なんだけどね!
「姫ちゃんおはよー!」
『僕は姫ちゃんって名前じゃなくて、白崎リオという名前だよー!おはよ!』
こうしておはようと挨拶してくれるのは嬉しいけど、"姫ちゃん"とか"お姫様"とか誰かと名前間違えて呼ぶのは少し止めていただきたい。僕は男の子だ。それに僕なんかと間違えられているその子が可哀想だよ。
そうこうしている内に教室へとたどり着き、ドアを開ける。
「「「リオ(君)おはよう!」」」
クラスのみんなは僕の名前をきちんと覚えてくれている。
『みんなおはよう!』
それでもやっぱり嬉しくて、笑顔で返すとアルミンの方に向かった。
「やあ、おはようリオ」
『アルミンおはよう!』
「ちなみに、エレンはまだだよ。ミカサともうすぐ来ると思うけど」
『…??エレンがどうかしたの?』
いきなりアルミンから聞いてもいないことを言われてリオは首を傾げた。
「リオの顔にエレンは何処って書いてあったから」
ニコニコと笑ってアルミンはそう言った。
僕はエレンに用事があったのだろうか……?
僕自身に分からないことをアルミンは分かっているみたいだ。
やっぱり頭が良いって凄いなぁ。
「早く気づいてね、リオ」
今度は真剣な顔で言った。
最近この言葉をアルミンとミカサからよく聞かされる。
僕にはさっぱり分からないのだけど、なにか大切なものを忘れてしまっているのだろうか。
アルミンに教えてもらおうと口を開いた途端、廊下から女の子たちの甲高い声と共にドアが開いた。