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Trajectory of light

第4章 〜波乱は突然〜




虹村side



『そうと決まったら移動だ!』



ガタッと席を立ち、目を輝かせた火神 紅朶は
オレを目で催促しながら外に出た。



紅朶は弟の勧めで、と言っていたが…

それだけブラコンという事なのだろうか。





紅朶はオレを巻き込んだ張本人だが、


今まで話を聞いていると

好感は持てなくもない。




ゴミを捨て、少し遅れてヤツを追うように外に出ると、紅朶はそこに立ち止まっていた。





「…何やってんだ?」



『どこでやるんだ!?』


笑顔で振り返る紅朶。



コイツは…結構…いや相当アホだ。




**


ストバスコートに到着すると


『こんな近場にコートがあるのか!!』


と、おもちゃをもらった餓鬼のように
喜んでいた。




そういえばボールがない。




『うっし!来い!!』



だが、何故かゴールの真下で棒立ちする紅朶を見ていると
何を知らないということが良く分かる。



ボールを持つ以前の問題かもしれない。






「…はぁ…。とりあえず、バスケの事
何を知ってんだ?」



『え?んー…相手のゴールに
ボールが入ればいいんだよな?』



…予想以上だ。



「それだけかよ…。」


呆れたように呟くオレを見て
ヤツは慌ててスリーポイントラインまで走り、足でトントンと線を踏む。


『ああ!ここの線から入ったら3点で
それより近くからだったら2点だろ!?』


シュートしかしないのかコイツは。


でも当の本人はドヤ顔だ。


確かに中学からバスケをはじめる奴は
そう少なくない。


というか、きっとほとんどがそうだ。



だがなにせこの帝光で、しかも紅朶は
高校までは絶対続ける と言う。


それなら初歩的な知識くらいは
あった方がいい気がした。



いつものオレならこういう厄介事には口は出さない。


だが、無性に…コイツの力を見てみたくなったのだ。




まぁ、今はルールもわからないようだが…



とりあえずは…



「紅t


「ふざけんじゃねぇぞ!!」


…は?」



俺の言葉は何者かに遮られた。


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