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Trajectory of light

第4章 〜波乱は突然〜




虹村side



紅朶と不良の体格差は歴然で
身長にもざっと30cmは差がある。


必然的に不良が紅朶を見下す形になる。


…ほんと大丈夫か!?


「さっきからふざけた真似ばっかしやがって…!!」



声を遮ったのと、ガキを開放したので
不良の怒りのバロメーターは限界だ。




『手荒な真似をして悪かった。
…で、なんでそこまで怒ってるんだ?』



紅朶は静かに聞きながら
道に転がったペットボトルとキャップを拾い上げた。



「っ…コイツが、俺の靴に
水零しやがったんだよ!!」



冷静に問う紅朶に、更に苛立ちを
増させた不良は、声を大きくした。



『…悪かったな。
俺から謝る、だから…』




「はぁ!?これたけぇんだぞ、
謝って済むもんじゃねぇんだよ!」


『…』


俯き、動く気のない紅朶。

殴りかかりそうな勢いの不良。


…これはまずくねぇか?


止めに…


「お、おい紅…


バキッ!


…朶…」


止めにかかろうとした矢先、

鈍い音が響いた。


「「え」」



その場にいた全員が目を疑う。




ペットボトルは潰れ、
紅朶の片手の中で小さくなっていた。


それだけではない。


ペットボトルのキャップが…
まっぷたつに割れていた。




『…ごめんな?』


「…っ…!
わ、わ、わ分かればいいんだよ!!」


紅朶の顔は優しかったが
あの珍技を見せてからではただの脅しにしかならない。



去っていく不良。

そして訪れる沈黙。




**


…い、今のなんだよ…



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