第4章 〜波乱は突然〜
虹村side
「は?」
『あ?』
オレの言葉を遮った声は
コートの入口周辺からだった。
不良が少年を怒鳴ってまくし立てている。
「す、すいまs
「あぁ?謝って済むわけねぇだろ!」
…っ…ひ…!」
そのガキはバスケットボールを両手で持ち、
顔を隠すようにしている。
きっと小学生くらいだろう。
今にも泣きそうな声だ。
良く見れば、
その近くにペットボトルが転がっている。
またベタな…←
とりあえずオレが仲裁に…
『え、しゅ、修…。
あれって男の子嫌がってるよな?』
歩きだそうとした時、
紅朶の声が聞こえ、隣を見る。
そこには眉間にしわを寄せ、
焦ったようにする紅朶の姿があった。
「あ?まぁ、…いい雰囲気でもないし
喜んではないな…。」
こういうの…不慣れなのか?
まぁ普通はそうだよな。
しかも、紅朶なんて
THE☆平和主義 みたいな奴だし…
しかし、そんなことを考えていたオレの視界から紅朶は一瞬で消えた。
「へ、?」
驚きで変な声をあげながらも
慌てて紅朶を探すと…見つけた。
あ、いつ!足はえぇ…っ!
紅朶は既に不良の手を掴んでいた。
紅朶の掴んだ…腕を見ると
その手が小学生の胸ぐらを掴んでいるのが見えた。
ドスッ!
「うぁっ…!」
紅朶は掴んだ不良の腕を素早く振った。
少年が道に放り投げられる。
「あぁ? お前n
『修』
「はぃ!?」」
不良の声を遮り、オレの名前を呼んだ
ヤツの声は低かった。
驚きと恐怖で声がうわずる。
『そいつ頼んだぜ!』
先程の低い声が嘘だったかのように
紅朶は二カッと笑った。
追いつかない頭で色々考えたが、
オレは結局ソイツ…ガキの元へと
駆け寄る事しか出来ず
紅朶達の方から目を逸らさずに
ガキの体を起こした。
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だ、大丈夫なのか…?
いざとなったら俺が…。