第4章 私と彼…4
静まりかえったこの場。
さっきの異常な雰囲気は消え失せて、及川はこちらを向いた。
「大丈夫?柊ちゃん」
こんな時までも、私を気遣った。コイツだって、怪我をしそうになったというのに。
「!それはこっちの台詞!
危ないだろ⁉︎お前そろそろIH予選あるんじゃ…」
「危ないのはどっちだよ⁉︎」
「‼︎」
及川のいきなりの怒声に私はかなり堪えた。
「のこのこ知らない男についてってさ!危ないじゃん!
ちゃんと怪しまなきゃダメでしょ⁉︎」
「っ!」
「柊ちゃんだって十分に被害対象なんだからね⁉︎」
つかつかと私の元に来て彼は、座ってる私の目線に合わせた。
お互い顔を見合わせる形になり、及川は言う。
「もう、本当、これ以降こんなことしないでね…
俺の心臓もたないから…」
そして、及川は優しく私を抱きしめた。
それと同時に、少し、誰かの嗚咽が聞こえた。
「…ごめん、及川」
本当にすまない。
私はその言葉しか出す事ができなくて、
私は自分の鼓動が速くなっているのに気づくことはなかった。
その鼓動が何を表すのかも。