第4章 私と彼…4
ーガツンッ
聞こえたのは何かが硬いものに衝突した音。
そして肌で感じるのは暖かい温もり。
………え?温もり⁇
スゥ、と恐る恐る瞼を開ける。
そこには誰かの服の一部が視界一杯に広がっていて。
「ー大丈夫?柊ちゃん。」
上から、とても安心する声が聞こえた。
「…及川、なんでここに」
「柊ちゃんが心配で探したんだよ。そしたら、こんな事になってるからさ」
それより、と及川は視線を男に向けた。
自然に片手で、地面についたバットの先端を持って
「どーも、不審者さん。ずいぶん柊ちゃんを怖がらせたみたいだねー」
いつものオチャラケな調子で相手に言うが、その直後、及川は表情と声色を変えた。
「ーふざけんなよ。」
この言葉で一気に空気の温度が変わったような気がした。
流石の男もヤバイとすぐに判断したようで、バットを引っ張ったがー
「お前にこれは持たせないから。」
先程手で持っていた為、男にバットを持たすことは無く代わりに及川がバットを引き抜いて持った。
「それからー
もし、また柊ちゃんを狙ったら、これだけじゃ済まさないから」
「ヒッヒィッ」
男は及川から発する空気に怯えてすぐに逃げてしまった。