第4章 私と彼…4
私たちが歩いているのは路地裏。
道が入り組んでいて人もいないし薄暗いが、近道なんてそんなもんか。
少し行った所で不意に男性は足を止めた。
「?どうしたんですか?」
心配になって聞く。今更道わかりませんとか言わないよな、この人。
冗談は及川だけで十分だぞ。
男性はこちらに向いた。
ーそして、
不気味に嗤った。
「っ⁉︎」
手には、どこに置いてあったのか、木製のバットを持っている。
「ハハハ。ようやく2人きりになれたね?柊ちゃん?」
「…なんで私の名前知ってんだよ」
引き気味で言うと、男はさも当然のように
「そりゃあ、ずっと君を見ていたからだよ」
なんて言う。
もしかして、コイツがこの前及川の言っていた不審者なんじゃないだろうか。
だとしたら、叩きつぶー
ここで、ふと気づいた。
今日は竹刀を持っていない事に。
「…チッこんな時に限って」
「これも内容聞いてたからね。こんな絶好の機会そうないよ」
と言って、男はこちらに向かって来た。
ここで止まっても勝ち目はない。
だとするとーー
逃げるしかないだろう。
私は後ろを向いて一気に走り出した。