第1章 【黒子】ボク、本当は。
「悠紀さん。最近ボクのこと避けてますよね」
そういう生活を続けて一週間くらいたった日。放課後帰ろうとして昇降口を出たところで、目の前にいきなり、黒子君が現れた。
『そんなこと、ないよ?』
「嘘つかないでください。確証はあるんです。…どうして、ですか?もしかして、ボクのこと嫌いに…」
『違うよ!…でも、今は、放っておいて…!!』
そう言って私は走って逃げてしまった。
せっかく話しかけてきてくれた黒子君に、冷たい態度をとってしまったことで、私は自己嫌悪に陥っていた。
本当は、ずっと黒子君と話したくて、今も本心では嬉しいって思ってるのに。
『なんで逃げちゃったんだろう私…。でも、黒子君の顔、恥ずかしくて真っ直ぐ見れないや』
学校の近くの公園まで走って、落ち着くまでしゃがみこむことにする。
しばらくして気づくと、あたりはほんのり暗くなっていた。