第7章 【青峰】ピンク・ブルー
「おい、悠紀…」
唇を離すと、大輝が少し大人びた顔つきになっていた。
『あれ、大輝?』
どうしたのかと思って名前を呼ぶと、急に視界が反転した。
押し倒されている、と認識したのは、少し乱暴なキスを落とされたあと。
「お前、ここがどこで、オレが何かわかってんのかよ。…もう、止まんねーぞ」
そう言われて考える。
ここは大輝の部屋で、大輝は男だ。
そこでやっと大輝の言わんとしていることがわかった。
…でも、赤くなんかならない。
『何されそうかくらいわかるって。馬鹿にしてんの?』
逆に不敵に笑ってやると、大輝もニヤッと笑ってもう1度キスを落とし…アタシの服に手を掛けた。
…とき、
「お姉ちゃんたち、話し終わっ…。おおお姉ちゃんになにしてんのよ大ちゃんの変態!」
さつきが登場して、大輝をぶん殴った。
キレイにアゴに入ったため、大輝は離れることを余儀なくされ、後ろに倒れる。
「お姉ちゃん大丈夫!?」
『アハハ、大丈夫だって!…仲直りしたよ。ちゃんと』
「そう、良かった〜!…でも、お姉ちゃんに手を出そうなんて、大ちゃんにはまだ早いんだからね!」
『だって!ごめんね大輝』
そして笑い合うアタシたち。
ちょっと変わってるかもしれないけどやっぱり、これがアタシたちの普通なんだよね。
仲直りもしたことだし、とりあえずは倒れた大輝を起こしてあげるとしよう。
END