• テキストサイズ

黒バス短編集

第5章 【今吉】カカオとルージュと




今吉先輩が見たかった映画っていうのは、コテコテのヤクザ映画だった。

最初はちょっとどうだろう…って思ってたけど、ストーリーが面白くて、つい引き込まれてしまった。

さすが今吉先輩の選んだ映画だ。

余談だけど、この映画の要である、組織の参謀を演じている俳優がどことなく今吉先輩に似ていたことも夢中になった理由の1つだ。


「さて、見終わったわけやけど…これからどっか行くか?」


『いいんですか?』


「おん。どうせ暇やろ?」


「暇です!」


食いつくように返事してしまった。大人の女性はそんなことしない。落ち着かなきゃ。


「んじゃ、ワシのオススメでええ?」


『はい、もちろん』


にっこり笑う。…あ、今けっこうイイ感じだったかも。この感覚覚えておこう。

そんなことを考えていたら、今吉先輩はククッと小さく笑った。

『どうしたんですか?』と訊ねると、「なんでもないで。ほな行こか!」と言って歩き出した。



/ 47ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp