第4章 【赤司】ドルチェブラッド
放課後赤司は、悠紀を呼び出した。
噂のことを話し、対策を考えるためだ。
『何のお話ですか?主将』
「お前が【吸血鬼】であるという馬鹿げた噂がたっている。そのせいで部員の練習に身が入っていない」
『そうなんですか』
「ああ。そんな馬鹿げた話、信じるほうがどうかしていると思うが、害が出ているんだ。疑われるような行動は慎め」
『そうですね、善処します』
“善処”という言葉にひっかかりを覚えながらも、赤司がその場を去ろうとすると、それを悠紀が呼び止めた。
『主将』
「なんだ」
『私が【吸血鬼】であるという話。もし噂の通りだと言ったら…主将はどうしますか?』
「なんだと?」
赤司が振り向くと、そこに立っていたのは
『私、実は【吸血鬼】なんです』
思わずゾクッとしてしまうくらい妖艶な笑みを浮かべた、瞳の色が紅色に変化した悠紀だった。