第2章 【紫原】お菓子よりも甘い
「あれ〜?悠紀ちん、大丈夫?」
『大丈夫ですよ。嬉し過ぎただけです!』
紫原くんが心配そうに顔を覗きこんできたので、慌てて弁解しました。これ以上ドキドキしたら、心臓が爆発してしまいます!
「そう〜?良かった〜」
そう言って「ふにゃっ」と笑う紫原くん。
大柄な体格に反して子供みたいな仕草は、私のハートを掴んで離してくれません。
「そうだ〜。何かお礼しないとって思ってたんだよね〜」
「何がいいかなぁ〜」と首をかしげる紫原くん。
『そんなお礼だなんて!大したことはしてませんし…』
「ううん。感謝の気持ちはちゃんと伝えないと〜」
『気持ちならもうもらってますよ?』
「うーんでも…」
とうとう黙りこんでしまった紫原くん。
私も困ってしまいました。