第2章 【紫原】お菓子よりも甘い
「やった〜!俺悠紀ちんのクッキー好きなんだよね〜」
嬉しいことを言ってくれる紫原くん。
『ふふ…私が焼いたものに限らず、紫原くんはどんなお菓子でも好きでしょう?』
いつもたくさんのお菓子に囲まれて、それらを幸せそうに頬張る紫原くん。
そんな彼を見ていると、私も幸せな気分になる…そういう意味で言ったのですが。
「何それ…」
紫原くんは顔をしかめてしまいました。
怒らせてしまったのでしょうか。
『ごめんなさい、何か気にさわることを言ってしまいましたか?』
慌てて謝ると、紫原くんは少しバツが悪そうに頭をかきます。
「ん〜そういうわけじゃなくて…。俺は悠紀ちんの作るお菓子が一番好きだよってこと!」
『っっっ!!!』
予想していなかった最上級の褒め言葉に、私はゆでだこのように真っ赤になりました。