第3章 003...これが私たちなんです
逃げられそうにないと観念したさとみは、ぽつりと、少し小さな声で答えた。
『ありがとう。話してくれて。』
「…ううん、大丈夫。」
『…大丈夫じゃない。』
涙が滲んでいることに気付かれたくなくて、思わず口癖がでてしまった。
『さとみ?言ったよね?大丈夫じゃない時は、ちゃんとそう言ってほしいって。』
「…私我が儘だから、少しぐらい我慢するのがちょうどいいの。」
でも…と言いかけた恭弥の言葉をかき消すように、さとみは話を続ける。
「それに、大丈夫は魔法の言葉だよ。おまじないだから。」
ふふっと笑ったさとみに、画面の向こうで恭弥が『む…』と眉間にしわを寄せる。