第1章 強制召喚
バリエーション豊かに…しかも○○が望めば、パソコンやカタログから欲しいものを注文して取り寄せることもできるという…この辺りはやや現代の趣きに近い気もするが、いずれにしろ、望む品々が半ば瞬時に用意される仕組みは、もはや機械とか、そんな言葉では片づけられない様相だが……。
「これは以前からの仕組みでございますれば。あ、ですが、このように隅々まで管理の行き届いている本丸ではございますが、審神者様の行動を勝手に見聞きするような不届きなシステムではございませんので、ご安心を」
言いながら、こんのすけがちょっと笑ったように頬を緩めたような気がした、途端、すぐ傍らの蜂須賀が対照的に眉間を寄せた。
「そんなことは当然だ、こんのすけ。そもそも、そのような不埒なものであれば、俺がこの手で切って捨ててくれる!」
本気そのものな蜂須賀の威勢に、こんのすけは目を剥いた。
「い、いや、そんな。蜂須賀殿~」
こんのすけはあわあわしながら、この本丸はあくまで、住人(主に審神者)の生活を支え、雑務をこなす機能を有しているのみである、と重ね、すると蜂須賀はといえば、これまたそんなことは当然だろうとばかりに頷くと、ふと表情を和らげ、○○を見つめた。
「この本丸もまた、主を助け、補佐すべき存在。だが主の気が向けば、直接買い物に出かけることも可能だ。その際は遠慮なく言って欲しい」
「え、あ、はい…」
全部を本丸がしてくれて、欲しい物も、本丸と、時には(というより物によっては)こんのすけが手配してくれる。
その気になれば、審神者は何も考えずにひたすら歴史改変者との戦いだけに集中できる、という仕組みがそこにはあった。