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【刀剣乱舞】人ならずとも

第7章 夜陰の逃避行~思わぬ酔宴


(もうっ、急に何なの!?)

風呂に入るまでは、何ともなかった。

でも身体を洗ってさっぱりして、今日は色々あったなあ、なんてことを考えていたら、自室に戻る頃には、所謂お腹の虫が、○○に空腹を訴え始めたのだ。

確かに、我ながら食が細くなったな、とは思っていたし、さすがにもっと食べないとまずいかも、とも思ったが、今まではまるで欲しいと思えなかったし、そもそも美味しく感じることさえなくなっていた。

きっとそのせいなのだろう。
蜂須賀とこんのすけからは、初めて会った時より痩せたとか、このままでは身体に良くないなどなど、色々と言われて、それでも食べられないのだから仕方がないじゃないか、と○○自身どうにもできずにいたというのに。

この状況は、一体何なのか。
お腹が空いて、とても眠れそうにない。
お陰で。

(蜂須賀さんには怪しまれちゃったし……)

いつまでも寝ようとしない自分を、当然だが、蜂須賀は訝った。

『主、どうしたのだ?』

怪訝そうに…そして心配するように。
訊ねてくる彼に、いっそ正直に言ってしまえば良かったろうか。

今頃になってそうも思うが、問われた瞬間、○○は答えられなかった。

お腹が空いて眠れない…なんて、ちょっと…いや、非常に恥ずかしいような、情けないような気がして、言い出せなかった。

でも、だからといって我慢して眠るのも無理そうで。
どうしたものかと悩んだ挙句、○○は意を決して、自ら厨に行く、という行動に出た。

ちなみに、この○○の行動に蜂須賀が気づかなかったのは、まったくの偶然である(○○に蜂須賀の隙を突くなど、意図的にできるはずもない)。

そんなわけで、○○が厨を目指したのは単純明快、空腹によるもの…だったりする。

就寝直前に食べると身体に良くないとか、太る…とか、○○だって、もちろん知っている。

知ってはいるが、自分でも驚くほどに、このままではとても眠れそうにないほどの空腹なのだ。

だから、せめて。

「ちょっとだけ…何か、ないかな……」
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