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【刀剣乱舞】人ならずとも

第7章 夜陰の逃避行~思わぬ酔宴


逡巡する蜂須賀の面差しは、本人の自覚に関わらず、とても柔らかなものだった。

とはいえ、やはり。

「あれは…駄目だ」

ぽそり、と嘯くが早いか、蜂須賀は少女とは異なる何処かへと踵を返す。

そうして足早に向かったのは、彼自身の室。

暗いその中で、しかし蜂須賀は迷うことなく、まだ袖を通していない自らの衣を手に取ると、再び部屋を後にした。

このまま○○を見守るのは良いとして、だがしかし、あの姿のまま…というのは、どうしたって蜂須賀的には承服できない。

せめて○○に何か羽織るものを…と思ったまでは良かったが、生憎と、その身は黄金の甲冑姿という、未だ臨戦状態さながらの出で立ちで、○○の身を覆うに相応しいものはなかった。

ならばとばかり、蜂須賀はすかさず自室へ取って返すと、自らの衣を手に廊下へと立ち戻った…と、その間にも、○○は更に廊下を進んでいる。

このまま行けば、行く手にあるのは厨のはず……。
一体そこに、何があるというのか。

(このような時間に…一体……)

それに、確か…などと考えるまでもなく、○○は方向音痴だったはずだが、果たして……。

(主はこの先が厨と承知で向かっているのか?)

理解できないまま、しかしもはや阻もうとは思わずに。
蜂須賀は○○の挙動を見届けるべく、静かにその後を追った。
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